はんしん自立の家40周年記念講演会「福祉施設の未来のかたち」~ICTとAIは福祉施設をどのように変えるのか~

宝塚市にあるチェシャーホーム「はんしん自立の家」の40周年を記念して、10月18日(土)に講演会「福祉施設の未来のかたち」~ICT とAIは福祉施設をどのように変えるのか~ が開催されました。
第1部では、講師の松田雄二先生(東京大学大学院 建築学専攻 准教授)が入居者の高齢化・重度化、深刻な人材不足といった課題を背景に、最新のICT事例を紹介されました。

全国の現場では以下のような様々な取り組みがなされています。
・体動などが数値化されるセンサーで、スタッフの安心感アップ
・映像による見守りシステムでケアの質向上
・分身ロボットで入居者のコミュニケーション支援

ただし「導入すればすぐ問題解決!効率化!夢の技術!」というわけではなく、目的を明確にし、現場に合わせて活用していくことが大切とのことでした。
少しずつであっても、テクノロジーと人の力で、福祉施設がもっと身近で豊かな場所に変わっていく未来を作っていきたいと思います。

そして第2部では、記念のティーパーティが開催されました。
来場された方と入居者の方がお菓子を食べたり、歌ったり。未来の福祉を考えつつ、温かい時間を共有できました。

最先端の福祉機器展


講演会では最先端の福祉機器が展示されていました。
右の写真は寝返りや呼吸、心拍数を非接触で測定できるシステムの展示です。
マットレスの下にシート状のセンサーを設置しています。
(写真:眠りSCAN パラマウントベッド株式会社様)

・夜間の巡回を減らし、スタッフの負担を軽くする。
・入居者の睡眠や体調の変化を長期的に把握する。 といった可能性を持っています。

続いて紹介するのが、介護現場での記録や連絡をAIと音声入力で効率化するアプリです。
ヘッドセットを装着し「ヘイ ウィズ」と声をかけると、介助をしながらでもリアルタイムで記録が可能になるそうです。
入力内容は介護記録ソフトと連携し、自動的に反映される仕組みです。ちょっとSFみたいで驚きました。
(写真:アプリ「ハナスト」「ケアカルテ」 株式会社ケアコネクトジャパン様)

・介助の手を止めずに記録できることで、業務の効率化
・AIが言葉の曖昧さを一定の表現に統合することで、記録の質の向上
・スタッフ間の情報共有がスムーズになることで、チームケアの強化 といった効果があるそうです。

講演会ではこれらの機器を現場で使ったお話も伺うことができ、「人と人が支え合う福祉」をテクノロジーがどう後押しできるかを考える大切なきっかけになりました。
福祉の現場におけるAIやICTの進化は、これからますますワクワクする広がりを見せてくれそうです。

3Dプリンターで作った張り子作品

はんしん自立の家の入居者さんが思い思いに色を塗った張り子の作品が展示されていました。
ひよこや動物たち、ハロウィンやサンタさんなど季節のモチーフが並び、とてもかわいらしい雰囲気で、来場された方からも「かわいいね」と声があがり、会場がほっこりとした空気に包まれていました。
これらの作品の型は3Dプリンターで作成し、そこに和紙を貼り、下地を塗ってから色をつけて製作しています。

テクノロジーを使って型をつくり、そこに人の手で彩りを加えることで、こんなに温かい作品が生まれるのだと感じました。
福祉の現場におけるテクノロジーの進化は便利さだけでなく「楽しさ」や「ものづくりの喜び」も広げています。


2026年3月13日

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